・翻訳メモリとは
翻訳メモリとは、翻訳状況、用語集等、自分で翻訳する場合に必要な各種情報を管理してくれるソフトウェアです。
自分の今までの翻訳を簡単に参照したり、自分で登録した用語集を常時参照可能にします。
ノート、エディターでも代用可能ですが、作業効率には圧倒的な差があります。
VA-11 Hall-Aではバー会話だけで約15,000行ありますので、記憶だけに頼って翻訳するのは難しいと思います。
簡単な説明のみ行います。
詳細についてはヘルプ等を参照願いします。
・入手方法
以下のURLからダウンロードが可能です。
OmegaT自由に使える翻訳メモリツール
ダウンロード>ダウンロードウィザード>Web Start
上記の手順が一番簡単です。
起動して、このような画面が出たらインストール成功です。
表示されたら、
プロジェクト>終了
で一度終了します。
・作業前準備
事前にスクリプトからテキストを作り出す作業が必要です。C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\VA-11 HALL-A\scripts
このフォルダの中身をコピーします。
どこでも問題ありませんが、例として以下のフォルダを使用します。
c:\UndertaleTools-master
上記フォルダに、scriptsフォルダをそのままコピーしてしまいましょう。
c:\UndertaleTools-master\scripts
こうなります。
scriptsフォルダ内の以下のファイルを削除します。
(以下の作業では使用しません)
scripts4jp.txt
tutorialjp.txt
次に正規表現を利用可能なエディターを準備します。
慣れているのがあれば、それを使用してください。
メモ帳では正規表現が使用できませんので、以下の例では
で簡単な説明を行います。
download>Download
ボタンをクリックして、ダウンロードし、インストールします。
Install Languageで日本語が選ばれている事を確認し、インストールすれば日本語でインストールされるはずです。
インストール後、Notepad++を起動します。
起動後、英語だった場合、
Settings>Preferences
を選び
English>日本語
を選ぶとインターフェイスを日本語に変更可能です。
script1.txtを開きます。
スクリプトのコマンド部分を削除します。
検索>置換
を選びます。
検索文字列に以下の文字列を入力します。
\[.+?\]
(\は¥です)
検索モードで、正規表現を選びます。
それから、すべて置換をクリックします。
鉤括弧が全て消えたと思います。
script1.txtの前のアイコンが赤くなったのは変更された事を意味します。
ctrlキー+sキー
を押して保存しましょう。(ファイルから上書き保存でも問題ありません)
アイコンが水色に変わり、保存されたのを確認できます。
c:\UndertaleTools-master\scripts
これを上記のフォルダ全部に対して行います。
全部変更が終わったら、全部のファイルをバックアップします。
(後で使用しますので、この時点で保存した方が楽です)
フォルダ毎、ZIPで固めても構いません。
フォルダ内には関係するファイル以外置かないようにしてください。
改行記号(#)を全て削除します。
検索文字列に以下の文字列を入力します。
#
検索モードで、標準を選びます。
それから、すべて置換をクリックします。
全部のファイルに対して保存しながら繰り返します。
OmegaT使用前の準備はこれで終了です。
・OmegaTへの読込
プロジェクト>新規作成
をクリックするとプロジェクトの保存場所を決められます。
C:\Documents\(ユーザ名)\
デフォルトではこのようになっていると思います。
好きな様にプロジェクト名を付けましょう。
とりあえず以下の説明では
VAJP
という名前で作ります。
プロジェクトの新規作成が開いたら、そのまま確定をクリックします。
翻訳対象ファイル一覧が開いたら、原文ファイルを追加をクリックします。
c:\UndertaleTools-master\scripts
を選択します。
先ほど作業したファイルが見えているはずです。
ctrlキー+aキー
を押してファイルが全部水色になったのを確認し、開くをクリックします。
script2.txtを選んで、閉じるをクリックします。
作業を行う前に設定を確認し、TABキーで次の分節へに✔がある事を確認します。
G'eveningをこんばんは。に書き換えます。
書き換えた後、TABキーを押します。
次の行に分節が移動しました。
プロジェクトをクリックし、翻訳対象ファイル一覧をクリックします。
script3.txtをクリックします。
編集の後ろがscript3.txtになっているはずです。
ジルの台詞が変わっています。
OmegaTでは同一の文章に同じ翻訳が適用されます。
今までの手順でscript4.txtを選んでみましょう。
先ほどのジルの台詞に非常に近い台詞です。
参考訳文に、入力した文章が表示されているはずです。
次の文章に移動する
TABキー
前の文章に移動する
Shiftキー+TABキー
直接行を選択するには文章を選び、右クリックし、分節を移動をクリックします。
・文章の検索
編集をクリックし、検索と置換をクリックします。
検索文字列に
nanomachine rejection
と入力して、検索をクリックします。
検索されました。
検索された行をダブルクリックしてみましょう。
編集が移動したはずです。
・用語集への登録
開いた分節のNanomachine Rejectionをドラッグし、反転させ右クリックします。
用語の追加をクリックします。
対応する用語にナノマシン拒絶症と入力し、確定をクリックします。
右のウィンドウの用語集に登録されました。
用語集は先ほど作成したVAJPフォルダのglossaryフォルダ内にテキストで保存されています。
不要であれば、OmegaTを終了した後、該当部分を削除してください。
・テキストの出力
翻訳の結果を出力するには、プロジェクトをクリックし、訳文ファイルを生成をクリックします。
少し待つとテキストが出力されます。
VAJPフォルダのtargetフォルダに出力されます。
script2.txtをダブルクリックして開きましょう。
このように表示されましたら、成功です。おめでとうございます。
・次回予定
ありません。今回で終了です。ここまでお読み頂けたのであればお疲れ様です。
お読みいただきありがとうございました。
・(参考)スクリプトの置き換えについて
翻訳が終わったテキストを実際のスクリプトにするには様々な方法があります。
表計算ソフトの作業についての詳細な説明を省かせて頂きます。
とりあえず表計算ソフトを使用した場合、
・簡単な構成
スクリプト名(script1.txt等)
管理番号(全ファイル通しての番号。あった方が楽です)
原文
作業前準備で作成した改行(#)付きの文章
翻訳文
上記の構成で、原文を翻訳文で置き換えます。(substitute関数等)
但し、以下の文章には原文の間にコマンドがあるので注意してください。
(script1.txtから附番した場合を想定しています)
(01063)
(04413)
(04495)
(04987)
(06553)
(07262)
(11871)
(14394)
(アンナのスクリプトにも幾つかありますが省略します)
例外を書く事も出来ますが、大した数ではありませんので別途手作業で構わないと思います。
改行コードに関しては、MID関数等で処理する事になるかと思います。
スクリプトの置き換えが終わった後に、管理番号を接続します。(concatenate関数等)
管理番号はゲームに直接必要ではありませんが、ゲーム内で確認し、修正を行う際、あると圧倒的に楽です。
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