2017年3月12日日曜日

リリム

VA-11 Hall-Aに登場するAIを搭載したロボットの総称。
作品内には3種類のタイプが登場する。


DT-01Dであるディール、DFC-72であるドロシー、CH1Aである*キラ*ミキである。
DT-01Dは社会開発用に設計されたリリムで、人間には耐えられないような環境でも活動可能なよう頑丈な構造をしている。作業に不要な機能はオミットされており、瞬きもしない。

DFC-72はDT-01Dに比べ、環境への対応能力は下がり人間に近い活動能力しか持たないが、より人間に似せて作られているため人間社会への浸透力が高い設計になっている。シリーズのバリエーションも非常に高く、無数の適合可能なパーツを持つ。また、頭部に拡張スロットを持ち、一時的に様々な機能を追加できる。

CH1Aはリリムの究極型とも言える、解剖学的にはほとんど人間と変わらない構造を持ち、とても強力な進化型の音声変調器を備えている。人間に近づけた事で
AIは大型AI、リリスを基に派生させた(恐らく軽量化した)物を搭載しており、ザイバツ社のAI統合計画で大量のバリエーション(人為的に弱点等も組み込まれる)を作り定期的に共有情報にトレースデータを送信する事でAIのアップデートを続けている。

ザイバツ社はAI統合計画と同時にAI再構成計画も行っており、何らかの原因で暴走したAIを筐体毎回収し、AIの再インストールする(つまり別人になる)。リリムは進化を続け、人間に似せすぎないよう法律で規制しようとする動きもある。リリムの特に頭部にパーツ状の物が存在するのは法律による物らしい。

DT-01D
恐らくネーミングはDroid(スターウォーズ発祥のロボットを指す言葉)を捩って付けられたタイプ。200度の環境下でも問題無く稼働できる。顔はマスクに近く表情はほとんど無く、瞼が存在しない(瞬きするように見えるのはモニター内の虹彩が点滅しているため)。プロローグでの会話内容からすると、設計目的は復興用(5年前の大災害か?)であり、完全な作業用であるらしい。とはいえシンプルな構造故頑丈で不要な機能を省いた設計であり、(パーツを交換すれば)重作業も問題無く可能であるらしい。AIは大型AIリリスからの派生であり、且つ共有ソースから強化されているため、DFC-72程では無いが感情は十分豊ではある。

DFC-72
一番生産数(2万体以上)の多いらしいDFC-72だが、この作品ではドロシーしか登場しないため、正直参考になりにくい。しかもドロシーは自分で相当改造(違法な物を含む)しているため、一般的な構成とは言えない。DFC-72はDT-01Dより後継型でより人間社会への適用を目指し、豊かな表情、頭部スロット2個により各種拡張機能を使用できる。DFCが何の略か不明。Droid Flexible Chassis-72みたいな感じなんだろうか。72とあるが、72型なのか不明。DFC-72は恐らく肩関節が筐体に直結していると思われるので、肩の膨らみ(バルーンスリーブとか言うらしい)は肩回転の違和感を見せない為だろうか?パーツは多種多彩で自己目的や自己意思で交換可能であり、民生品の売買(違法も含む)が行われている。クラス5の武器が利用可能という事は、危険地帯(戦場や極度に治安の悪化している地域)でもDFC-72は使用されているのだろう。

CH1A

最新型でもっとも高価なリリムがCH1Aである。主目的はリリムによる人間性の追求と超越であるようで、(そもそもリリムの高度化はAIの究極進化を目指す社会実験でもあるらしい)通常であれば再現不要な箇所まで人間化が図られている。肩は鎖骨と肩甲骨(を模したシステム)で接合されており、人間同様に肩をすくめる事が出来る。もちろんその替わり起重量の限界は上記二つの形式と比べても明らかに劣る。どの程度生産されているのかは不明だが、量産はされておらず、ワンオフに近いようだ。*キラ*ミキの場合はリリムによる音楽性の創造みたいなテーマが使われ、配置されると同時に音楽家として活動を始めている。進化型の音声モジュレータは骨導超音波の様な働きが可能らしい。上記の形式とCH1Aが一番異なるのは最初から完成形で配置されたという事だ。つまり今までの研究成果から現行の最高モデルを作り出した、今後のリリム進化のプロトタイプでもあるらしい。b-LINKの二人がCH1Aなのかは不明。

リリムのロールアウトから配置まで
工場から出たリリムはランダムに特性を変化させたAIが組み込まれ、およそ10歳から13歳ぐらいの状態で活動を開始する。許可証を持つ保護者(ガーディアン)の元に送られ、人間の元で育てられる(つまり人間と同じ食事をエネルギー源として活動する。効率としては相当な無駄だ。故に壮大な社会実験でもあるのだろう)。彼らはそこからAIEEP(人工知能教育特例実施要領)によるキャリア教育を受け、社会的な行動について学ぶ。つまり最初からある程度は決まった目的に投入される。ドロシーが現在の職業以外にケアテイカー的側面を持つのは最初からそういう方向を目指したAI設定がされているのかも知れない。保護者の元に居る間に3種のテストに合格すると、リリムとして「成人」したと見なされる。ドロシーによると3つの内、成熟度テストだけなぜか合格できないらしい。AI設定がやや極端になっていたからかも知れない。
3つのテストを段階を経る毎にパーツを「成長」させる。最終的には20代後半ぐらいまで成長するようだ。(更に老齢のリリムが居るのかは不明)ディールはリリムとして「成人」しているため、保護者の元を離れるのは可能だが、ドロシーはテストをクリアしていないため、法律上は保護者の元を離れる事は許されない。

*キラ*ミキの場合は、これらの段階を経て居ないが、社会生活上必要な為、便宜上の保護者は存在する様だ。それが彼女のプロデューサーに当たるのか、それとも別な人物なのかは不明である。

共有ソース
活動中のリリムは全て(少なくとも上記3種全て)は無線で共有ソースと接続されており、間隔は不明だが、AIの情報が吸い上げられてゆく。収集された情報は元となるAIの改善(や多様性の増加)に使用され、新たなリリムのAIに使われてゆく(現行のAIが更新されるのかは不明。リリム的には聴くというイメージらしい)。共有ソース上にはそれぞれ個別のAIがバックアップされ、不測の事態が発生した場合には新しい筐体(元と同じ構成で。恐らく合法パーツのみで)で元の状態で再配置されるらしい。つまり文字通りリリムは死なない。問題行動を起こした場合は問題箇所を削除し、AI再構成計画と呼ばれる再配置が行われる。言い換えれば、グリッチシティには問題を起こした過去を持つリリムが沢山居るという事だ。

DRK-S0L
ジルの台詞にしか登場しないリリム形式。一切他からの情報が無い為、実在するのかは不明。リリムの歴史に詳しいドロシーでも知らなかったので、2060年代の形式だと思われる。現在のリリムと異なりバッテリー駆動であり、共有ソースへの接続も実装されていない。Tweenbotの高度化した計画の様な物なのだろうか?(WiredのTweenbotの記事)もしそうだとしたら、不思議な名前の理由もわかるという物だ。

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